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- Date:2025年05月22日
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更新完全停止(廃棄物) 見ていただきありがとうございました。
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「悟飯ちゃん。部屋にいねぇと思ったらそんなとこにいただな」
家の外で悟天と遊んでいると母がひょこりと玄関から出てきて苦笑いしながら話し掛けてきた。
(しまった)
今はまだ勉強の時間だった。
そんな僕に母は呆れたような表情にはなる。
「また、悟天のさそいに負けただな?」
鋭い母に図星をつかれて笑うしかない。
「調度息詰まってたから…つい」
気分転換になると思ったので…。
語尾が弱くなる。
「最近頑張っているから良いべ。それより…」
母は僕の方をじっとみて呆れる。
「のびっぱなしの髪をどうにかした方がいいだな」
母に言われて改めて自分の髪を撫でる。
四方八方に好き勝手に伸びている髪。
確かにちょっと欝陶しいかも知れない。
「ついほったらかしになりますね」
「オラが切ってやろうか?」
「あっいや」
急に小さい頃、母に切ってもらったことを思い出した。
いろいろ皆に笑われたのは覚えている。
「いやか…、まぁ年頃だしな。都会さいって今風にしてもらうだ」
もうすぐ、学校にも通うことになるから綺麗にしたらいいべ。
「はい…」
髪を切りに行くのは決定事項らしい。
散髪代とついでにに買ってきてほしいものが書かれているメモを受け取る。
始めは悟天も行きたがっていたが母のおやつに釣られて家の中に入って行った。
僕もおやつほしいなって思ったけど、今、出て行かないとせっかく母が機転を聞かしてくれたのに意味がなくなる。
「いってきます」
「気をつけるだよ!」
母に見送られて、飛び立つ。
髪型かぁ…。
お父さんに切ってもらった髪型も気に入ってたけど…。
でもあれは…。
お父さんに少しで近づきたかったからかもしれない。
自分の未熟さ、今もまだ心の中でうずいている。
そういえばっと思い、ふとメモを見る。
今日のおかずや日用品そして…。
―悟飯ちゃんの好きなもの一つ
母の優しさに涙する。
あぁ、泣き虫は相変わらず変わらないや…。
また、ピッコロさんに怒られちゃうな。
お父さんによく似たはねる髪。
お母さんによく似たやわらかい髪質。
どちらでもあって、どちらでもないのが自分だ。
「今日はどうされますか?」
「短く切ってください」
すっきりした髪を風に当てる。
短くなった分、首元がすうすうすして、不思議な気持ちだ。
急いで帰ろう。
特に意味はないけど、母や悟天はこの髪型を見てどう反応するかな?
どんな言葉でもきっと暖かい気持ちになるに決まってる。
「ただいま!」
玄関の扉を開ければ、悟天が待ちかねたほうに飛び込んできた。
「おかえり兄ちゃん! わぁ、すっごくかっこいい!!」
「悟飯ちゃんおかえり。本当だべ。すっごく、似合っているだよ」
「うん、ありがとう…ございます」
ほらね。
言ったとおりでしょ?
end