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- Date:2025年07月09日
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更新完全停止(廃棄物) 見ていただきありがとうございました。
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「なぁ、バーダック。アンタは見たのか?」
「何を?」
ぼそりと呟くセリパ。
セリパ自身も確証がないらしい。
その内容は信じがたいものだった。
「伝説の超サイヤ人さ」
「……なに?」
伝説の超サイヤ人。
その言葉はフリーザに敗北してから期待を込めて呟く過去に葬られた空想の人物。
千年に一度と現れるとされている。
驚異的な強さと黄金の髪に新緑の瞳を持ち鋭い目付き、サイヤ人の全てを凌駕していると言われている存在。
それが伝説の超サイヤ人。
「…その様子だと、違うみたいだな」
セリパは聞き齧った情報を提供した。
何でも空が異様に朱くなり考え切れないエネルギーの固まりが押し寄せてきたとき。
上空に金色の髪をした男が全ての爆発からこの星を守った。
直撃は免れたがその余波が凄まじく怪我人が続出。
アンタも空から降って来たって言うじゃないか。
「だったら、考えちまうだろ?」
アンタがその超サイヤ人じゃないかって…。
「馬鹿言え、下級戦士がそんな大それたもんになれると思うか?」
冗談も程ほどにしとけと思って口にした。
自らを蔑む言葉。
生まれた瞬間の戦闘力でその一生が決まる地位を授かる。
努力を根本から否定される制度。
バーダックはそれだけは納得していなかった。
「その下級戦士が伝説のサイヤ人だと言ったら?」
「なに!?」
どういうことだ。
「異国の服を纏い、逆立った髪は多くの下級戦士によく見られたものだったらしいよ」
じゃなきゃ、アタシもアンタが超サイヤ人になったなんて馬鹿げた空想はしないよ。
「………」
バーダックはその言葉を聞いたとき、散ちりゆく時に見た一瞬の未来の自分の息子の事を思い出した。
フリーザと対峙する朱い胴着を身に纏った姿。
もし、彼が伝説のサイヤ人であったのなら…。
(んな馬鹿な話あるか…)
今赤ん坊であるあいつがここに現れることなんて万に一つも有り得ない。
バーダックは今考えた事を全部を完全に否定した。
今のバーダックにわかるのは違和感。
見せられた未来と現実に起こっていることの食い違い。
「何かがズレ始めてるって事か」
バーダック自身が特殊な能力により垣間見た未来とはズレが生じているということだ。
その巨大な戦闘力を持つ何者かによって…。
「バーダック?」
意味のわからない気持ち悪さと思いがけない方向に運命が転がり始めた面白さにバーダックの口には笑みが漏れていた。
「おもしれーじゃねーか」
こうなったら、とことん逆らってやるよ。
この能力が見せる絶望の未来なんて、くそくらいだ。
完